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シニアエンジニア達の語り場

December 23, 2025

AI時代の仕事人

AI時代の仕事人

近年、YouTubeなどでは「AIで仕事が楽になる」「AIで簡単に稼げる」といった話題があふれています。確かにAIは強力な道具ですが、現実の社会では別の変化も同時に起きています。Amazonでの人員削減、俳句コンテストの終了、人材採用におけるエントリーシートの廃止などは、その象徴です。これらに共通するのは、「人間がテンプレートを使って仕上げられる仕事」が急速に不要になりつつあるという点です。

AIが得意とするのは、既存のパターンを学習し、一定の正しさで処理を行うことです。定型的な文章作成、分類、要約、コードの雛形生成などは、AIに任せた方が速く、安定します。開発者としては、AIができる部分はAIに任せる判断力が求められます。これは特別なことではなく、ひと言で言えば「正しく仕事を進める」ことに過ぎません。プロにとっては、仕事の道具が一つ増えただけなのです。

一方で、「正しさそのものを定義する仕事」はAIにはできません。何が正しいのか、どの選択が社会や顧客にとって望ましいのかを決めるのは人間の役割です。AIはせいぜいブレインストーミングに参加し、選択肢を増やしてくれる存在に留まります。最終的な判断と責任は、常に人間にあります。

ソフトウェア開発においては、自動コード生成は非常に便利です。しかし、生成されたコードのロジックを理解しないまま、システムや製品に組み込むことは避けるべきです。動いているように見えても、将来の障害やセキュリティ問題の原因になることがあります。初心者のうちは特に、「なぜこのコードが動くのか」を確認する姿勢が重要です。

AI時代の仕事人として開発者に求められるのは、AIを魔法の存在と誤解しないこと、そして自分の思考を放棄しないことです。AIを道具として使いこなしつつ、判断と理解を手放さない姿勢こそが、これからの時代に価値を生み続ける力になります。